こんにちは
大マヌケな管理人です( ̄∀ ̄;
さて今回は『真面目にRP』のプレストーリーです。フィオラ・オーフェンことアレイアス・フォレスタが、シロディールからスカイリムにやってくる、その国境越えの時の話です。作ってはみたものの、いつ載せようかと思っているうちにそのままになってしまいました。
ここにハドバルが本当にいたのかどうかはよくわからないのですが、まああくまでもRPと言うことで、お読みくださいませ。
シロディールから北方の国スカイリムへと向かう街道の途中にある宿屋に、一人の女のアルトマーがやってきた。旅慣れた様子で、大きなトランクを一つ抱えている。
「いらっしゃいませ。」
「こんにちは。いつもの部屋は空いてる?」
宿の主人とも顔見知りらしい。女は主人に案内され、宿屋の最上階にある眺めのいい部屋へとやってきた。
「今回は長旅になるとのことですが、スカイリムへ向かわれるのですか?」
「ええ、向こうの事業を引き継ぐことになったの。」
「おお、ではご一族の事業におけるスカイリムの代表者に?」
「その予定よ。まあ今回は向こうがどういう状況か、見てくるだけだからそんなに長くはかからないと思うのだけど。」
女の名はアレイアス・フォレスタ。シロディールの帝都を拠点としてタムリエル中にさまざまな事業を展開する一族の一員だ。スカイリムの事業を統括していた伯母が引退してシロディールに帰りたいと言い出し、その仕事を引き継ぐことになった。
「確かアレイアス様はスカイリムが故郷でございましたな。」
「そうね・・・。ソリチュードで育ったの。スカイリムはノルドの国だけど、ソリチュードは住みやすい町だったのよ。近くに住んでいたノルドの一家とは親しくしていたけど・・・ふふふ・・・あの家の子供達はもう立派な大人になっているのでしょうね。」
アレイアスの見た目は、ノルドやインペリアルで言えば20代前半というところだろうか。だが実年齢となると人間種族にはぴんと来ないほどの年齢だ。以前シロディールが恐るべき災厄に見舞われたおよそ200年前、アレイアスはスカイリムで生まれた。
「では今回はソリチュードに?」
「そのつもりよ。昔の顔なじみに会うのは久しぶりなの。トリグと言ってね、とても優しい男の子なのよ。」
「ソリチュードのトリグ・・・。え、まさか上級王の!?」
宿屋の主人はすっかり驚いて聞き返した。上級王トリグの名前は、こんな辺鄙な宿屋の主人でさえ知っている。
「そうよ。婚約者の女の子もすごくきれいな子で、結婚したって言う知らせと、トリグが上級王になったって言う知らせはきてるんだけど、その後は何も連絡がないのよね。忙しいんだとは思うけど・・・。」
「ほぉ・・・それはお会いになるのが楽しみでございますねぇ。」
「そうねぇ。近々行くっていう知らせは送ってあるから、待っていてくれると思うけど。」
アレイアスが笑った。そのときスカイリムの首都ソリチュードで何が起きていたか、その噂が南への街道を走りぬけて国境を越えるまでにはあと何日かを要した。
「最近は国境に帝国兵がたくさん配備されています。お気をつけください。」
「ありがとう。」
宿屋の主人が出て行くのを待って、アレイアスは部屋の扉をぴたりと閉め、鍵をかけた。そして持ってきた大きなトランクを開けて中から小さなかばんを取り出した。
「さてと、国境越えに必要のないものは、しまっておかないとね。」
トランクの中には、トリグへのお祝いの品や、呪文書、薬の材料、お金、高価なアクセサリーなどが入っている。そして引き継ぐ予定のスカイリムの事業に関する調査書も。そのトランクの中から目立たない簡素な服とマント、馬車を雇ったり食事が出来る程度のお金、そして追いはぎを脅かすためのダガーを取り出した。それらを小さなかばんにつめる。今着ている服も着替えてトランクにつめた。これでいい。アレイアスが呪文を唱え始めると、トランクは中に浮かび、すうっと消えた。これでこのトランクの中身は安全だ。スカイリムについてから呼び出せばまた手元に戻ってくる。アレイアスは他のアルトマー同様に優れた魔法の使い手だ。暴漢に襲われたところで、さっさと姿を消して逃げおおせることが出来る。だからと言って、なにもわざわざ金目のものを持っていそうな出で立ちで歩くことはない。スカイリムの治安があまりよくないことは聞いている。無事にスカイリムの伯母の家に着くまで、出来るだけ人目を引きたくはなかった。
部屋を出て宿のフロアで食事をしている間、アレイアスは注意深くあたりを見回した。こんな北のはずれの宿屋でもそれなりに賑わいがある。北へ向かう者、北から戻ってきた者、または西から東、その逆へと移動する者・・・。それはおそらくこの場所にとってはいつもの風景だ。
(でも何で帝国兵があんなにいるのかしら・・・。)
ここに来るまでの道中、何度帝国兵に馬車を止められたかわからない。彼らは御者に何か質問をし、馬車の中をじろじろと覗き、そして横柄に『行け』と言って馬車から離れていった。そしてまた次に来る馬車に同じように質問をしていた。旅人の中に怪しいものがいるかもしれないというのなら、それもまたいつものことだ。でも最近の帝国兵たちの動きはどうにもおかしい。派手すぎるのだ。あんなに大量に街道に出ていれば、確かに犯罪の抑制には一役買えるだろうが・・・。
(でも捕まえたい奴がいるのだとしたら、完全に逆効果だわ・・・。)
気にはなるが今考えても仕方がない。明日の国境越えに備えて早く寝よう、そう考えて少し早めにベッドにもぐりこんだアレイアスだったが・・・
夢の中で、アレイアスはソリチュードにいた。ブルーパレスと呼ばれる美しい宮殿でトリグとの再会を果たしたのだが、トリグは笑って立っているだけだ。何度も声をかけると、突然トリグの体は崩れ去り、忌まわしいスケルトンになってばらばらに砕け散った。
「なんだったのあの夢は・・・。」
朝、外はさわやかに晴れていたが、アレイアスの心には鉛のような不安が重くのしかかっていた。トリグに何かあったのだろうか。でもそれなら知らせが来てもいいはずだ。胸騒ぎがする。早めに国境を越えてしまおう。本当は一旦イリナルタ湖という美しい湖のほとりにある別荘に立ち寄り、近くにあるオーロラという村からソリチュードへ向かう馬車を雇おうと考えていたのだが、まず国境から一番近いヘルゲンという帝国の砦に立ち寄り、スカイリムの最近の出来事について聞いてみることにした。
「お発ちでございますか。」
「ええ、お世話になったわね。」
宿代を払ってアレイアスは外へ出た。彼女がここに来る時に持ってきた大きなトランクがないことを、宿の主人は気にかけてもいない。アレイアスの魔法の力はよく知っているからだ。
国境についた。思った通り物々しく、帝国兵がかなりいる。たくさんいるにも関わらず、旅人を通す手続をしているのは数人だ。入口も一つしかなく、待たされている旅人が不満を口にしている。以前はこの国境はもっと開かれていたはずだ。何が起きているのだろう。
「おい、早くしろ!」
帝国兵の怒鳴り声で我に返った。いつの間にかアレイアスの番になっていたらしい。国境越えの書類を出そうとしてかばんを開けたとき、コインを入れた袋が落ち、中身が散らばってしまった。
「ごめんなさい。」
そう言って拾おうとしたとき、背後を誰かが走り抜けていった。しかも2人ほどだ。
「止まれ!そいつらを捕まえろ!」
帝国兵が叫んだ。2人とも男らしい。腰をかがめて、明らかにアレイアスがコインを落とした瞬間をねらって飛び出したのだ。そして・・・
「貴様も仲間だな。おとなしくしろ。」
コインを拾い終えて立ち上がったアレイアスの鼻先には、剣が突きつけられていた。
「違うわ。あの人達はなんなの?」
「言い訳は後で聞いてやる。聞く機会があったらだがな。おとなしく言うことを聞け。奴と同じ目に遭いたくなければな。」
帝国兵がそう言ってあごで指し示した先には、死体が転がっていた。その隣で腕をねじ上げられた若い男が「俺は違う!」と叫んでいる。
(冗談じゃないわ!)
だがここで抵抗するのはまずい。姿を消して逃げることは出来るが、それではさっき国境を突破しようとした男達の仲間であると認めるようなものだ。帝国兵がもう一人やってきた。
「いつまでかかってるんだ?さっさと連行するぞ。」
「ああ。おい女、荷物は全て没収だ。服はこれに着替えろ。」
差し出されたのは服と呼べるかどうか限りなく怪しいぼろの塊だ。とりあえず足に履くものもあるらしいが、皮ひもを簡単に編んだだけで、布で出来た靴下のほうがまだましなくらいだろう。
「服はいいでしょう。」
「いや、だめだ。ほら、早く着替えろ。」
そういう帝国兵は2人とも、いやらしい目でアレイアスを見ている。
「バカ言わないで。こんな何もない道端で着替えなんて出来るわけがないでしょう。」
「おお、それもそうだ。よし、兵舎の中を使わせてやるよ。ほら、来い。」
帝国兵達はアレイアスの腕を掴み、半分引きずるように兵舎に入った。
「よし、ここならいいだろう。」
そう言ったきり、2人は出て行こうとしない。
「着替えるから出て行きなさいよ。入口がそこしかないなら逃げようがないでしょう。」
「いや、着替えを手伝ってやろうと思ったのさ。」
言うなり帝国兵の一人がアレイアスを床に押し倒し、服のボタンに手をかけてひっぱった。ボタンは弾け飛び、服はびりびりに破れて下着があらわになる。もう一人がすかさずアレイアスの口と左腕を押さえた。
(なんなのよこいつら。本当に帝国兵なの!?)
「へっへっへ、エルフの女は初めてだな。」
「おとなしくしてろよ。なあに、すぐ済むからな。」
2人は鼻の下を伸ばし、アレイアスの下着を剥ぎ取りにかかっている。
(冗談じゃないわよ。こっちにも選ぶ権利ってものがあるわ!)
こんなところで魔法を使いたくはないが、このまま汚い手で体をべたべたと触られるのではたまったものではない。なんとか自由になる右手に呪文を呼び出して2人の動きを封じようとしたそのとき、バァンと扉が音を立てて開き、『何をしている!?』という怒鳴り声が響いた。
「何をやってるんだ!?その女は奴らの仲間じゃないのか!?」
「ああ、こいつがコインを落として、俺達がそっちに気を取られた隙に国境を突破しようとしたらしい。俺達がそんな手に引っかかると思われたとはね。」
「俺達をバカにしたお仕置きをしようとしてるのさ。邪魔するなよハドバル。」
「何がお仕置きだ!一刻も早くこいつらを連行するようテュリウス将軍から伝令が届いたんだ、おかしなまねをしないでさっさと外に出ろ!」
「し・・・将軍が!?」
『テュリウス将軍』という名前を聞いた途端、2人の帝国兵は青くなって震え上がり、はずしかけた腰のベルトを慌てて締めるとあたふたと飛び出していった。
「おい、あの2人に当たるとは災難だったな。ちょっと待ってろ。逃げようなんて思うなよ。」
ハドバルというらしい帝国兵は冷静だ。少なくともさっきの2人組のような不埒な考えはないらしい。
「この状態で逃げられるわけないでしょ。着替えるからさっさと出て行ってよ!」
「随分と威勢がいいな。お前が囚人でなければ帝国軍にスカウトするところだよ。実に残念だ。」
ハドバルは笑いながら兵舎を出て行き、程なくして女の帝国兵が一人入ってきた。
「あなたを見張るよう言われてるの。さ、早く着替えをして。その間くらいは待ってあげるから。」
「はぁ、助かったわ。ひどい目に遭うところだったわよ。」
「ストームクロークなんかに味方するからよ。自業自得と言いたいところだけど、さっきの連中はいつもあんななのよ。旅人の中に女がいると難癖をつけては中に連れ込んで、怒られてばかりいるの。その点についてだけは謝るわ。」
「なるほどね。正規軍の兵士の中にもろくでなしはいるってことね。」
「ほとんどの兵士はまともよ。それに、私達から見ればストームクロークのほうが余程ろくでなしだわ。」
国境にある帝国軍の兵舎の中で、アレイアスは仕方なくぼろぼろの囚人服に着替えた。持っていたかばんも今着ていた服(ボタンはちぎれて前は破け、とても着られる状態ではないが)と一緒に帝国兵に取り上げられた。かばんの中にはたいしたお金も入っていない。せいぜい次の宿屋までの馬車代と食事代程度だ。ダガーだってありふれた鉄のダガーだ。惜しいとは思わないが、こんな扱いを受けることについては腹が立つ。ここにいる女の帝国兵は思っていたより横柄でないが、アレイアスを罪人と信じて疑わないところは、融通の利かない帝国兵の典型だ。
「さっき殺された男と捕まったやつは、そのストームクロークとか言うろくでなしの一味なの?」
「ええ、あなたも含めてね。」
「私は奴らの仲間じゃないわ。濡れ衣もいいところよ。待って・・・ストームクローク・・・それって確かウィンドヘルムの首長の名前よね。」
スカイリムの事業を引き継ぐにあたって、アレイアスはスカイリムについていろいろと調べた。各要塞の首長の名前も把握済みだし、そのいくつかは帝国と対立しているという話は知っている。ウィンドヘルムのウルフリック・ストームクローク首長も帝国に対していい感情を持っていないということだが、ではその対抗勢力を束ねているのがウルフリック首長ということか・・・。
「下手な芝居は通用しないわよ。ま、一応付き合ってあげるわ。あなたの言うとおり、ストームクロークはウィンドヘルムの首長の名前よ。」
「ウィンドヘルムと言えばタイバー・セプティムが作ったというスカイリム最初の町じゃないの。レッドマウンテンの噴火後はだいぶダンマーが流れ着いているけど、ウルフリック首長は彼らをまともに扱わないとか、聞いたことがあるわ・・・。」
「ウィンドヘルムの首長が自分の要塞内でどういう政治を行おうと、それだけなら帝国が口を出す筋合いはないわ。今度のは・・・」
言いかけて帝国兵は口をつぐんだ。
「さあ、早く着替えて。終わったら行くわよ。」
(何かありそうね・・・。)
女の帝国兵は何かを言いかけてやめた。最近街道に帝国兵がやたらと配備されていることと関係があるのだろうか。だがさっきの様子からして、聞いたところで答えは返ってきそうにない。仕方なく、アレイアスはぼろ服を着て外に出た。馬車にはさっきアレイアスの後ろから国境を突破しようとして掴まったらしい男がうなだれて乗っている。自分を陥れた張本人と同じ馬車になんて乗り合わせたくはないが、帝国軍にとってはアレイアスもこの男も同じ『囚人』ということらしい。今だけはおとなしく連行されるが、さてどこで逃げようか。申し開きが出来る場所にいけるならいいが、このまま牢獄に一直線ということだって考えられる。出発しようとした時、スカイリム側の街道から馬が走ってきた。帝国軍の伝令らしい。伝令の兵士は満面の笑みで、『やったぞ!一網打尽だ!』と叫んだ。その途端、辺りにいた帝国兵達がいっせいに歓声を上げた。
「とうとう捕まえたのか!」
「はっはっは!さすがテュリウス将軍だ!すばらしい!」
どうやら帝国軍は『誰か』を捕まえたらしい。それがもしかしたらさっきのストームクローク・・・。だとしても彼はウィンドヘルムの首長だ。要塞の首長を捕まえるにはそれなりの『容疑』が必要なはずだが・・・。
「出発するぞ!」
アレイアスを乗せた馬車が動き出した。
2025年05月30日
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